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1961年パリ創業、アーティストたちが立ち上げたフレグランスメゾン【ディプティック】。
洗練されたボトルデザインと芸術的な香りは、今や世界中の感度の高い男女を魅了しています。
中でも男性から熱い支持を集めるのが、ウッド系の香り。
森林浴のような深い安らぎと、樹木が持つ静謐な力強さは、「包容力」「落ち着き」「知的さ」という成熟した印象を自然に醸し出します。
本記事では、ディプティックが誇るウッド系フレグランス全5種類を徹底解説。
それぞれの個性を知ることで、あなたのスタイルに相応しい一本が見えてくるでしょう。
目次
Outline
ディプティック ウッド系の全5種類を解説！
――パリ、サンジェルマンから届く、ウッドノートの芸術。
香りで描く5つの名香水を紹介します。
【フィロシコス 】
――無花果の友が紡ぐ、太陽と樹木の物語
「Philosykos（フィロシコス）」――その名は古代ギリシャ語で「無花果を愛する者」を意味します。
ギリシャの灼熱の太陽の下、イチジクの木陰で過ごした記憶。
創業者イヴ・クエロンの幼少期の思い出が、この香りの原点。
イチジクという果実は、香りの印象が薄いと思われがちです。しかし【フィロシコス】は、果肉の甘美さだけでなく、葉の青々しさ、樹皮の力強さ、木陰の涼やかさ――
“イチジクの木”が持つすべての表情を、香水に閉じ込めています。
フィロシコスには、オードトワレ（EDT）とオードパルファン（EDP）の二つの顔があります。
同じ「イチジクの木」をテーマにしながら、まったく異なる風景を描く――
これこそが、ディプティックの創作における自由な精神です。
【タムダオ】
インドシナの山岳地帯から、寺院に響く静寂の調べ――
「Tam Dao（タムダオ）」――ベトナム北部の霧深い山岳地帯の名です。
標高1,000メートルを超える高地に佇む古い寺院、そこに漂う香木の煙。
創業者たちがインドシナを旅した際に出逢った、神聖で静謐な空気が、この香りの原点。
東南アジアの寺院では、儀式のたびに“サンダルウッド（白檀）”や”ローズウッド”といった香木が焚かれます。その煙は祈りとともに天へと昇り、参拝者の心を清めます。
【タムダオ】は、まさにその瞬間を香水という形で結晶化させた、スピリチュアルな傑作。
「香水通が唸る一本」と評される【タムダオ】には、オードトワレ（EDT）とオードパルファン（EDP）の二つの表情があります。
同じ寺院をテーマにしながら、一方は朝靄に包まれた清らかさを、もう一方は夜の深い静寂を描きます。
【サン・ジェルマン 34】
――― 原点への讃歌、パリの様式美で描くクリエイティビティ
「34 Boulevard Saint Germain（サン・ジェルマン大通り34番地）」――それは、ディプティックの物語が始まった場所。1961年、3人のアーティストが小さなブティックを開いたその番地こそが、半世紀にわたる香りの冒険の起点でした。
パリ本店に漂う艶やかな空気――ファブリックの温もり、古い木材の香り、訪れる人々の香水、そして窓から差し込む光――。この香水を纏うとき、あなたはサンジェルマンの街角に佇んでいるかのような情景に包まれます。
“サンダルウッド”、”シダー”の柔らかなウッドを軸に、
“バラ”、”カシスのつぼみ”のフローラルが加わり、”スパイス”のアクセントに惚れ惚れ。
パリ本店の店内を表現しているからこそ、これほどまでに多彩な要素が詰め込まれているのです。
それでいて、独創的でセンスの良い香りにまとまっているのは、”さすがディプティック”。
複雑で深みのある香りは、大人っぽさやセクシーさを連想させ、成熟したメンズの雰囲気を彩ります。
【オルフェオン】
パリ本店の隣に佇む、伝説のバーへ愛を込めて――
「Orphéon（オルフェオン）」――それは、ディプティック本店の隣に位置した伝説のバーの名。
1950年代から60年代にかけて、芸術家や作家、詩人たちが集い、夜な夜な熱い議論を交わした聖地。煙草の煙、ブランデーの芳醇な香り、女性たちの香水、そして古い木製のカウンター――。
その空気を一本の香水に封じ込めたのが、【オルフェオン】です。
“ジュニパーベリー”の生き生きとした香りから始まり、”シダーウッド”の深い香りへと変化。”ジャスミン”がアクセントとなり、香り全体を引き締めるので、上品で包容力のある印象を与えます。
やがて”トンカビーンズ”が主張を強め、全体的に大人っぽいアンティークな仕上がりに。
まるで、夜のバーで上質なブランデーを傾けるような――そんな余裕と色気を纏わせてくれます。
【ボア・コルセ】
生命を守る樹皮への讃歌、プレミアムコレクションが描く自然の宝物
「Bois Corsé（ボワコルセ）」――それは、樹木の生命を守る樹皮へのオマージュ。
木の柔らかな中心部を守り、風雨や厳しい自然条件に耐えながら、時の流れとともに形づくられる樹皮。
その表面は決して均一ではなく、しかし触れると心地よい。
2024年のプレミアムコレクション「レ ゼサンス ドゥ ディプティック」の一作。
このコレクションは、人には感知できない香りを持つ自然の宝物――サンゴ、マザーオブパール、樹皮、睡蓮、砂漠のバラ――を、自由に再解釈した、ディプティックの真髄を体現する作品群です。
力強い”ブラックコーヒー”のアブソリュートと、”サンダルウッド”のマリアージュは、
コーヒーに砂糖とミルクを加えたような、サラッとした甘さに。
そこに”トンカビーンズ”が溶け合うと、甘さがどんどん姿を消してゆき、ウッディな印象が高まります。
ほどよく温かみのある癒しとセンシュアルさが同居する――グルマンとウッディが融合した傑作です。
まとめ：異なる魅力を秘めた5種のウッドノート
五つの森が語る、それぞれの物語
地中海のイチジク、インドシナの香木、パリ本店の木製品――ディプティックが描く5つのウッドノートは、それぞれが異なる風景を纏いながら、アーティストたちの自由な精神という共通点で結ばれています。
オリエンタルな神秘、涼やかな清涼感、スパイシーな刺激――。
ウッディノートは、成熟した男性の魅力を自然に引き出す香調です。
さりげなく、しかし確かに――それは、言葉ではなく香りで語る、大人のエレガンス。
あなたに相応しい一本は見つかりましたか？
ときには直感にしたがって。きっと、あなたに必要なエレガンスがここにあります。
ディプティックのウッド系フレグランス――半世紀以上の歴史が紡いだ、香りという芸術作品を、その手にとってみてください。
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